2009年07月18日
一番大切なお金
今回の話は、沼津経営塾で講師をして頂いている、オリジン・コーポレーションの杉井保之氏の機関誌「こおろぎ」の話の中の抜粋ですが、今月の沼津経営塾5周年講演会でも講演をしてくれます。

自社の通信にも載せましたが、心に残る自分の中で心に残るお話です。ちょっと長いかもしれませんが、読んでみてください。
その施設には、翌日で卒園する一人の少女がいました。彼女は、母親が失踪し、父親が肝臓病で入院をしたため、施設に預けられたそうですが、12歳になってもまだお金の区別が出来ませんでした。施設を出てから彼女が困らないようにと、女性職員が一円硬貨から一万円札までを順に並べて「このお金が五つで、これだよ」と、卒園していく彼女にお金の種類を教えていました。
翌朝、私が出発の準備をしていると、その職員が「よかったら彼女の勉強の成果を見ていってください」と言うので、彼女の卒業試験に立ち会うことになりました。テストの前に職員さんは、もう一度お金を並べて、「このお金が五つで、これだよ」と説明したあとに、「この中で一番大切なお金はどれ?」と彼女に尋ねました。
私は、これだけ説明すれば当然一万円札を指すだろうと思って見ていたのですが、その子はニコニコしながら10円硬貨を指差したのです。「あれあれ!」と思って見ていると、その職員さんはガッカリした様子も見せずに、「ごめんね。教え方が悪かったね。もう一度説明するね」と言って、また「このお金が五つで、これだよ」と説明を始めました。その職員さんの姿には本当に頭が下がりました。
その説明が終わると、職員さんは彼女にもう一度「この中で一番大切なお金はどれ?」と、尋ねました。
私は「今度こそ一万円札を指すだろうな」と思って見ていたのですが、その彼女は嬉しそうに微笑みながら10円玉を指差したのでした。
さすがに今度はその職員さんもガッカリした表情で何かつぶやいたあとに、「どうしてこれなの?こっちじゃないの?」と一万円札を指差しました。すると彼女は笑いながら「これがあるとお父さんの声が聞こえるんだもん」と10円玉を指差したのです。
携帯電話を持たない彼女にとって公衆電話が父親の声を聞ける唯一の手段だったのです。この彼女の言葉は、本当にショックでした。「一番大切なお金」と言われて、一万円札だとばかり思っていた自分が本当に情けなくなりました。私よりも知的障害を持ったこの子のほうがよほど大切なものを知っていると思ったのです。 (「こおろぎ」2007年3月1日No169より抜粋)
自分でも気づかないうちに、お金で価値を考えてしまうことがあります。本当に大切なものはお金では買えないものです。
いろいろな事を楽しむのにお金は必要です。お金があったほうがないよりも幸せになれると思います。しかし、お金があっても不幸な人はたくさんいます。お金を儲けるために身体を壊したり、友人を失ったりしている人もいます。こういう話を聞いて少しでも優しい気持ちになれればいいと思いました。
7月23日(木)に三島商工会議所で講演会があります。この話を教えてくださった先生の話です。興味のある方はSTK製作所HP内のブログにて案内があるのでみてください。

自社の通信にも載せましたが、心に残る自分の中で心に残るお話です。ちょっと長いかもしれませんが、読んでみてください。
その施設には、翌日で卒園する一人の少女がいました。彼女は、母親が失踪し、父親が肝臓病で入院をしたため、施設に預けられたそうですが、12歳になってもまだお金の区別が出来ませんでした。施設を出てから彼女が困らないようにと、女性職員が一円硬貨から一万円札までを順に並べて「このお金が五つで、これだよ」と、卒園していく彼女にお金の種類を教えていました。
翌朝、私が出発の準備をしていると、その職員が「よかったら彼女の勉強の成果を見ていってください」と言うので、彼女の卒業試験に立ち会うことになりました。テストの前に職員さんは、もう一度お金を並べて、「このお金が五つで、これだよ」と説明したあとに、「この中で一番大切なお金はどれ?」と彼女に尋ねました。
私は、これだけ説明すれば当然一万円札を指すだろうと思って見ていたのですが、その子はニコニコしながら10円硬貨を指差したのです。「あれあれ!」と思って見ていると、その職員さんはガッカリした様子も見せずに、「ごめんね。教え方が悪かったね。もう一度説明するね」と言って、また「このお金が五つで、これだよ」と説明を始めました。その職員さんの姿には本当に頭が下がりました。
その説明が終わると、職員さんは彼女にもう一度「この中で一番大切なお金はどれ?」と、尋ねました。
私は「今度こそ一万円札を指すだろうな」と思って見ていたのですが、その彼女は嬉しそうに微笑みながら10円玉を指差したのでした。
さすがに今度はその職員さんもガッカリした表情で何かつぶやいたあとに、「どうしてこれなの?こっちじゃないの?」と一万円札を指差しました。すると彼女は笑いながら「これがあるとお父さんの声が聞こえるんだもん」と10円玉を指差したのです。
携帯電話を持たない彼女にとって公衆電話が父親の声を聞ける唯一の手段だったのです。この彼女の言葉は、本当にショックでした。「一番大切なお金」と言われて、一万円札だとばかり思っていた自分が本当に情けなくなりました。私よりも知的障害を持ったこの子のほうがよほど大切なものを知っていると思ったのです。 (「こおろぎ」2007年3月1日No169より抜粋)
自分でも気づかないうちに、お金で価値を考えてしまうことがあります。本当に大切なものはお金では買えないものです。
いろいろな事を楽しむのにお金は必要です。お金があったほうがないよりも幸せになれると思います。しかし、お金があっても不幸な人はたくさんいます。お金を儲けるために身体を壊したり、友人を失ったりしている人もいます。こういう話を聞いて少しでも優しい気持ちになれればいいと思いました。
7月23日(木)に三島商工会議所で講演会があります。この話を教えてくださった先生の話です。興味のある方はSTK製作所HP内のブログにて案内があるのでみてください。
Posted by 泰青パパ at 19:07│Comments(3)
│いい話
この記事へのコメント
お金に対する価値を考えさせられるエピソードですね。子供の頃の価値観をいつの間にか忘れてしまっていますね。家族の大切さ、友人の大切さ、自分を支えてくれている人や環境に対するありがたさを振り返るきかいとなりました。つよしさんありがとうございました。講演会は来週の木曜日ですね。参加します。
Posted by SALT at 2009年07月19日 08:30
とても素晴らしいお話でした。
少女の事を思うと切ないです。
ありがとう!
少女の事を思うと切ないです。
ありがとう!
Posted by 美由直己 at 2009年07月19日 16:47
コメントありがとうございます。
講演会一緒に行きましょう。
講演会一緒に行きましょう。
Posted by つよし at 2009年07月21日 13:04